脳卒中ガイドライン2021 改訂ポイント 脳卒中一般編

医学

こんにちは。


今更ながら脳卒中ガイドラインを購入したのでアウトプットのために2015版からの改訂ポイントを紹介していきます。

脳外科医には釈迦に説法ですが、脳卒中を診療してくださっている内科の先生、研修医、コメディカルの方々の知識のアップデートになれば幸いです。


今回は脳卒中一般編です。

脳卒中ガイドライン2021 改訂ポイント

  1. DOAC
  2. 糖尿病コントロール
  3. 消化管出血予防
  4. 急性期リハビリテーション

脳卒中一般での改訂は大きくこの4つになります。

DOAC

非弁膜症性心房細動(NVAF)による心原性脳塞栓症の一次予防には、CHADS2スコア1点以上の場合は、直接阻害型経口抗凝固薬(DOAC)の投与が第一に勧められ(推奨度A エビデンスレベル高)、ついでワルファリンの投与も妥当である(推奨度B エビデンスレベル高)。

脳卒中ガイドライン2021より

昨今のDOACの台頭により心原性脳梗塞の一次予防はワルファリンよりもDOACの方が勧められるとの記載になりました。

前回の2015ガイドラインではCHADS2スコア1点の場合はDOACが勧められていましたが、
2点以上の症例ではDOACもしくはワルファリンによる抗凝固療法の実施が勧められる。
との記載に留まりDOACとワルファリンでの優先順位が明示されていませんでした。

体重や腎機能障害による制限はありますが、PT-INRの調整が不要なDOACの方がいいですよね。

脳卒中ガイドライン2021より引用

脳卒中一時予防としての糖尿病コントロール

成人2型糖尿病における血糖コントロールおよび心血管イベントの抑制に、メトホルミンは第一選択として妥当である(推奨度B エビデンスレベル中)。
さらに血糖コントロール不良な場合にはGLP-1受容体作動薬またはSGLT-2阻害薬の投与を考慮してもよい(推奨度C エビデンスレベル中)。

脳卒中ガイドライン2021より

脳卒中ガイドライン2015ではメトホルミンでコントロール不良な2型糖尿病患者への次の一手は記載がありませんでした。

しかし2021ガイドラインからは新規糖尿病治療薬であるGLP-1受容体阻害薬やSGLT-2阻害薬の記載が追加されました。


内科の先生の処方内容をみてもDPP-4阻害薬や上記2種の薬剤が投与されている割合が肌感覚でも増加している印象です。

ただSGLT-2阻害薬では糖を尿と一緒に排出するので脱水や脳梗塞を発症させる症例もあるので注意が必要です。

消化管出血予防

高齢や重症の脳卒中患者、アスピリンやDOACなどの抗血栓薬を投与している患者では
消化管出血のリスクが高く、誤嚥性肺炎の可能性を考慮した上でのPPIまたはH2受容体拮抗薬の予防的投与は妥当である(推奨度B エビデンスレベル中)

脳卒中ガイドライン2021より

2015年版だと“抗潰瘍薬(H2受容体拮抗薬)の予防的投与を考慮してもよい(グレードC1)”でしたが、
2021年版では推奨度が上がったのとPPIの記載が追加されました。

この改訂を機にDAPTを継続している外来フォロー患者への抗潰瘍薬のレセプト査定を
見直してもらえるといいですね。

急性期リハビリテーション

脳卒中急性期のリハビリテーションは、合併症を予防し、24-48時間以内に病態に合わせたリハビリテーションの計画を立てることが勧められる。

脳卒中ガイドライン2021より

2015年版では脳卒中一般に記載のなかった急性期リハビリテーションが推奨されています。

「24-48時間以内」という具体的なタイムリミットを決めています。
それだけ廃用が進むスピードは速く、麻痺側だけでなく健側の機能保持も重要になってきます。

急性期に体を動かして大丈夫なの?という疑問もあります。

発症早期のリハビリテーション介入が3ヶ月後の転機が悪くなった傾向がある報告もありますが、
発症早期の脳梗塞にリハビリテーションを介入しても脳血流量に影響はなく、重症合併症が有意に少ないとの報告もあります。

個人としては意識レベルやバイタルサインに大きな異常がない患者さんは積極的にリハビリ介入をしています。

高齢者は元々の疾患が良くなっても、筋力の低下で家に帰れなくなる人も多いです。
リハビリ介入のタイミングを逃して手遅れにならないよう気をつけたいですね。

まとめ

まずは脳卒中一般編についてまとめました。

脳卒中一般ではDOACや新規糖尿病薬のデータが集まってきたためガイドラインでの存在感も強まってきました。

またリハビリテーションの早期介入など、脳卒中による機能低下を最小限に食い止めたいというメッセージがありましたね。

脳外科医、脳神経内科医以外の先生方が脳卒中を診療してくださっている病院もあると思います。
そういった先生や研修医、コメディカルの日常診療の一助になれば幸いです。

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